志野流香道目録（しのりゅうこうどうもくろく）

天保１１年(1840)　月将　写本　１冊

後日、筆者による校訂が行われているため校訂後の内容を掲載。

 

金竜山人印　万行院蔵書印

目録

一　香炉灰調様之図

一　同炭団生様　火合　並　添香炉之事

一　火取香炉　火取箸之事

一　香炉請取渡　並　持様　聞様之事

一　乱箱内飾　並　志野折　記紙指飾之事

一　地敷紙飾　並　畳飾之事

一　記録認様　並　記紙認やう之事

一　札銘組合　並　名字調様之事

一　香組之法　並　香銘調やう之事

一　長緒一切結様　解様之事

一　香席掛物　並　生花之事

一　同　餐応之式禮　並　制禁之事

一　同　會亭一席二組　並　主客心得之事

一　同　會日兼約　並　刻限之事

一　初心十五ヶ条法度書之事

右十五ヶ条香道初学として、次に組香に入るべし。

 

十組

一　十種香、宇治山香、小鳥香、小草香、源氏香

花月香、競馬香、名所香、矢数香、十*柱香

右十組終りて、十二月之組香に入るべし。十二月は組香をさだめず、何之組香なりとも、其之季、其之月之組香を選びて用べし。次に三十組に入るべし。

三十組

一　系図香、古今香、煙競香、忍香、住吉香

新月香、三友香、星合香、三夕香、一二三香

草木香、時鳥香、鳥合香、鶯香、三體香

宇治香、四季歌合香、四節香、山路香、五色香

雨月香、蛙香、雪月花香、四季香、雲月香

三景香、寝覚香、時雨香、春秋香、千鳥香

右三十組終りて、十組之式を習ふべし。次に十組、十ヶ条を学ぶべし。

一　十組香會之式　

是は、一日に十組を聞く事なり。会席法式、飾等習いあり。

十組十ヶ条の習い

一　十種香　古名の事　　　　宇治山　追加

小鳥　名寄歌　　　　　　小草　記録　新古

源氏　正傍の点の習　　　花月　客香追加

競馬　二種抜の意　　　　　　名所　源平習事

矢数　金銀橇の事　　　　　　十*柱　座組の習

右十組會の式　並　十ヶ条の習い終りて、六国五味の傳有り。

初傳

○一　六國列香伝　並　五味之弁　

右、両傳並びに名香のきき、新古の辨、名香四季の習、五ヶ條の傳書あり。

三十組十五ヶ条

一　系図香　名の記の事　　　古今　新古

煙競　煙争香の事　　　　忍香　名目　五品

住吉　三組有　　　　　　三夕　記録三品

時鳥　三品有　　　　　　鶯　名目二品

四節　三組在　　　　　　山路　二組有　香盤の習いあり

五色　包紙の習　　　　　雨月　客香入習の事

雪月花　二組有　　　　　春秋　二組有

千鳥　*柱合子細の事

外盤物十組

一　花軍香、闘鶏香、芳野香、六儀香、源氏舞楽香

蹴鞠香、相撲香、龍田香、呉越香、鷹狩香

右、盤香十組は、始めは源平香、漢楚香、舞楽香あり。右三品を除き、芳野香、龍田香、鷹狩香、此の三組を入れ替え撰ぶ所は、葆光齋宗先改む也。その外、盤香組数、万ありといへども略す。なお、師説を受くべし。

二傳

○一　*柱合香之伝　並　真行草灰之事　

一　同　香盤之習　並　ふくさ之事

一　同　香袋内認様之事

一　指枝袋飾よう之事

一　思羽包飾よう之事

一　源氏香図飾之事

一　盤物飾之事

一　乱箱大小飾よう之事

一　十種香箱飾よう之事

一　同　拝見所望之事

一　同　紐むすびよう之事

一　袋棚飾　並　別名之事

一　紹鴎棚かざり　並　別名之事

一　二重棚飾　並　三重棚かざりの事

一　書院棚飾よう之事

一　＊筒飾所之事　　＊門がまえに亀という字。

合十六ヶ条

三傳　是を中傳とす。

○一　柱合十種香等伝書有り　

一　同　火合　香組の事

一　灰押形十五ヶ條

一　古代灰押形三十余ヶ條

一　八卦香炉之法　並　嫌之卦之事

一　釣香炉之事　

一　鞠香炉之事

一　野香炉之事

一　袖香炉之事　並　廻香炉の事

一　木香炉之事

一　土香炉之事

一　桐火桶之事

一　不浄香炉之習　並　飾所之事

一　宴席香炉之事

一　衛士かこ（籠）　並　野銀水仙之事

合拾五ヶ条

四傳

○一　古代十*柱香十組之式　並　称名院殿御記　

一　文臺かざりの事

一　指札之事

一　香幕寸法新古之事

一　同　屏風寸法新古之事

一　同　屏風寸法　並　大小寸法之事

一　源氏雲隠之包　並　寸法之事

一　香盆敷ふくさ　並　敷紙之事

一　勝手より持参香炉之式

一　留香法　並　*柱やう之事

一　供香座香之式　並　空*柱之法

一　組香茶湯　並　炉風炉之事

一　香の茶湯　並　真行草之事

合拾四ヶ条

五傳

○一　名香合之式　

一　香畳調よう之事

一　家風香新式

一　三具足　五具足　並　押板之事

一　卓かざり十品

一　看板飾十五品

一　盆飾二十五ヶ條

一　野飾十品

一　神前佛前供香之式

一　追善供香之式

一　婚禮座香之式

一　移徒座香之式

一　拝願の香之式

一　古代名物香具會釈之事

一　名香録

合拾五ヶ条

六傳

○一　古代作銘香合之式　並　泉殿之記

一　四季追加之事

一　*柱合七節之事

一　同　六節之事

一　香銘相生相剋之事　並　香炉形之事

一　香陰陽　時宜之事

一　芳薫餘情　　　　相阿弥香書

一　天文雑書　　　　志野宗温書

一　銘香名寄　　　　同　省巴自筆

一　栄松之記　　　　宗信娘　栄松尼之作

一　香道規範　　　　蜂谷宗悟書

一　六十一種火合之事　並　列味之事

一　同　手鑑香　並　香包之事

一　和木名寄之事

一　古代名香部分集　並　立味之傳書

一　外盤物組香新撰集

合拾七ヶ條

七傳

○一　御會御*柱合之式　

一　正面棚かざり之事

一　中棚飾之事

一　下たなかざり之事

一　志野棚かざりの事

一　四季棚飾　並　寸法

一　真香たな飾の事

一　二階棚飾之事

一　御厨子棚飾　並　黒棚かざりの事

一　香座敷古法寸法之事

一　花月香二人手前之習

一　*柱香寸法習

一　香所持之法

一　飾伽羅之事

一　薫香横竪之事

一　古代継香之秘伝　並　序破急

一　同　香木七録名　　慶長之記　池三位丸自筆

一　雪月花香之式

合拾八ヶ條

八傳　是より奥傳なり

○一　香道一切傳書　

一　同　一切諸香具　折形寸法許書

一　六十一種秘名別書　並　火合傳

一　蘭奢侍口傳　並　九返之法

一　書院飾諸式秘傳

一　香道九極大意　　　　　　　宗温自筆

一　建部隆勝相傳の一巻　　　　隆勝自筆

一　連理香相傳

一　香道一切許可

以上

右朱書は安政二年卯二月、尾張名古屋、百草菴宗匠嵩居に於いて御巻軸に引合せ校訂。

月将

天保十一年庚子年七夕

南豐　岡玉来　真正寺

　　満行円備月将写之

金竜山人印　円涌之印