香人雑記

1997−1998

つれづれなるままに、ぼんやり書いてます。

[不定期更新]

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1998/1/7

Yuasaさんから英語版の御提案をいただきました。

インターネット接続初日に訪問しました。想像以上にすごい世界で、驚きました。ほとんど理解できない(^^;)ほどの高尚な世界で、唖然としました。中身が濃く、アカデミックですね・・・。じっくり勉強したいと思います。

あのホームページを作るのに、かなりの時間と労力を使ったと思いますので、いいにくいのですが、あえて言わせていただくと、「英語版のページを是非つくって欲しい」と思います。

香道の専門用語は、日本伝統のものなので、翻訳せずにそのまま使っていいのではないのでしょうか?注釈だけ英語でつければOKなのでは・・??これだけのものを、日本人しか読めないのは、もったいないような気もします。また、日本人向けにも読めない字が多すぎるので、もう少し、難しい字には、カナをふって欲しいです。

まずは、無責任な私からのお願いでした。また、見ますので、これからもよろしく!!!

ありがとうございます。このHPは、作り始めてから2週間ぐらいでできましたので、全然「力作」ではないんです。結局は、長年書きたかったことを一気に吐き出しただけのことです。ビジュアル系はもともと好きでしたので、案外簡単にできました。

外国語版のことですが、当初の構想には、英語版、中国語版、フランス語版というのがありました。それぞれ、知り合いの外国語教師や親日家の外国人、外国在住の友人に頼みましたが、内容の難しさもあって未だ断られ続けています。翻訳者からすると、「香木」すら知らない人にその香りを説明することはできない。香りの印象はただでも個人の原体験に帰するところが多いので、ましてや文化も感性もまったく違う外国人に説明するのは至難の業ということでした。諦らめてはいませんが、僕の英語は「赤点」ですから、どちらにしろ他力本願ですね。

フリガナの件は、掲載当初も同様のご意見を頂戴し、文脈の美しさを失わない程度に極力付けるようにしましたので、専門語やフリガナのない言葉は原則「音読み」で読んで下さって結構だと思います。

 

1997/12/18

Hiroseさんからうれしいメールをいただきました。

私はアロマテラピーに関係した仕事の関係で、新年を迎えるにあたり「日本の香り」と言うテーマの参考になるのもを探しているうちに、こちらのHPにたどりつきました。

大変充実した内容に仕事を忘れすっかり夢中になってしまい、その感動をお伝えしたく、思わずメールしてしまいました。

私は呉服を扱う家に育った影響でしょうか、日本の伝統的な文化には大変興味があります。一時は伝統衣装について学んでおりました。少女時代は「源氏物語」を読みながら、登場人物の身につけている衣装の色目や香りを想像したものです。

「香道」についても昔から興味があったのですが、今は「アロマテラピー」を研究しています。これからも時々寄らせて頂きます。そしていつか「香道」に足を踏み入れてみたいと思います。

本当にありがとうございます。私も香道に接する以前にアロマテラピーや調香をやっていました。香りをお仕事にされていて、更に源氏物語などの古典に興味のある方でしたら、お近くの教室のご紹介もさせていただきますので、是非、香道をご体験いただきたいと思います。

私は、このホームページを通して、香道の入口に立った方が必ず質問されるようなことをあらかじめお答えしているに過ぎません。なぜならば、最もマニュアルにしやすい点前も「段取り」を覚えるだけなら書物でもできますが、「間合い」や「美しさ」そして「火合」(香木を最高の状態で焚き出す火加減)という領域になると師匠から教わる稽古で身に付ける以外に方法はないからです。ましてや香道は、「香り」、「雰囲気」、「心象風景」という抽象的なものを取り扱う芸道ですからインターネットや書物では自ずと限界があり、いくら文章を費やしても伝えることはできません。

「香りと文学の醸し出す伝統文化の神秘」に触れるには、やはり「実体験」が必要です。「香筵雅遊」というサイバースペースの入口が誘いとなって、全国各地の皆さんが香道というものを実際に体験されるようになれば幸いです。香りの世界の探求をしている間にHiroseさんともお逢いできることを楽しみにしています。

Hiroseさんのページ「Herb&Aromathrapy」

1997/10/6

Ogawaさんから身の引き締まるご意見をいただきました。

ホームページを拝見しました。とても、すばらしい出来映えで感動しました。私は、香道の世界の発展をたいへん喜んでいます。

ただ、伝統的な香道の世界がインターネットに合うかどうかは、今後のインターネットの普及と香道のような伝統芸道がどこまで、誤解されずに情報を提供できるか?また、正しく受け取られるか?に懸かっていると思います。

香道の詳しい紹介や資料は、インターネットばかりか出版物さえありませんが、志野流、御家流なく香道の発展と普及を願う者としてまずは、インターネットの第一歩としての試みを喜んでいる次第です。

今後とも、香道の普及、発展にご尽力されますよう心よりお祈り申し上げます。

ありがとうございます。私は、情報を扱う仕事に身を置いて日常的にネットワーク社会というものを俯瞰していますが、近頃インターネットコンテンツの質の低下から起因する悲観的なネットワーク社会の姿が想定されるようになってきました。

当初私は、「自らが先達から学んだ香道に関する知識やノウハウを書き物にして仲間内だけにでも残して置こう」とワープロ仕事をライフワークとして続けていましたが、今年の夏、あることがきっかけで「日本の何処かにこれを公開保存して継承しなくてはならない」という衝動にかられ、個人の思い入れの産物として香筵雅遊をつくりました。

これからも全世界の志のある方々が「真に有益な情報」や「稀少だが無くしてはならない情報」をネットワーク上に数多く蓄積してくれることを願っています。

伝統芸道の情報公開は確かに取り扱いが難しいものですが、私も日本人として伝統文化の正しい継承のために少しでもお手伝いできればと思っています。

文化の継承、保存のみならず香道全体の隆盛も願っていますよ。

 

1997/9/5

大阪の茶パツゆーいちさんから「茶席の香」について質問がありました。

茶席に香がお目見えするのは、以下の3点が主ではないでしょうか。

まず、事前に茶席を清め、客人の精神を落ち着かせ、併せて炭の匂いを消すために香を焚きます。これは、いわゆる「空焚き」で客入り前に香炉を引っ込めてしまうのが流儀です。風炉の季節は、伽羅、沈香、白檀等の香木を使います。炉の時期は、妖艶な感じの練香を使います。(香を焚かない場合は、その雰囲気だけを残すために香合を床に飾ることもあります。)

次に香がお目見えするのは、「炭つぎ」の時です。このときは、木製の香合に1センチ角の香木を2つ入れ、炭点前の最後に1つは炭の上に、もう1つは熱い灰の上に置きます。(ちなみに練香を用いる場合は、陶磁器の香合を用います。)

さて、最も茶香融合の姿をみせるのが、「七事式」の且座(しゃざ)の式、仙遊の式です。ここでは、重香合や銀葉鋏、香筋、聞香炉が香盆にのって現れ、香炉を仕立てて香を聞き、お茶とともに嗜む所作があります。

茶道用の香木は、香舗で、伽羅、白檀、沈香といった3種類で販売していると思います。香木の香気と茶席のイメージが大事なので、どれがベストということはありません。伽羅はゴージャスですし、白檀は涼しげで茶席に色をつけません。沈香は、御家流のように細分化されていないので、結構イメージにばらつきがあると思います。大阪の香舗をお知らせしますので相談するなり、試し聞きするなりして、自分の感性にあったものを求めてください。お茶の場合は、部屋に香気を充満させる「空焚き」が主なので、香道ほど高価なものを使う必要はありません。(もとより、直接火にくべたりしては、いい香木でもいい香気は立たない筈です。)

私はお茶に関しては素人ですので、知る限りのことを書きました。

Yuichiくんの茶道(裏千家)の世界」

 

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