香道具

香道具の写真(921所持)

オプション

組香や香席の格式等、場合によって必要となる道具たちです。

香札(こうふだ)

手記録紙を使わず、一*柱毎に香札を使って答えを出すことを「札打ち(札入れ)」と言いますが、この際に使われる投票札です。

十*柱香のものが基本ですが、組香によって専用の香札が用いられることもあります。

香札箱の図

塗り物や唐木製でトランプのように表面には松、桐、柳など草木や鳥獣の絵柄が施されていて、各組とも裏には、「一」「二」「三」「ウ」の記号がそれぞれ3枚ずつ書かれています。香札箱には、10〜12組分納められています。

札筒(ふだづつ)

 札筒の図

「札入れ」の際に香札を入れる投票箱です。塗り物や唐木製で、上下に分かれる茶筒のような構造をしています。大きさは、高さ8センチ×直径2センチほどで、形は中太の円*柱や角*柱です。

折居(おりすえ)

堅い紙を織り込んで造った香札ホルダーです。折り方は、広告で造るピーナッツの殻入れに似ています。「札入れ」の中でも、一*柱毎に答え合わせをすることを「一*柱開き」と言いますが、いちいち札筒を廻すと時間がかかるので、香炉と一緒にこれを廻し、香札を入れます。

折居は、通常十枚一組で廻された香炉の順番に対応して表に「一、二、三、、、、」と番号が付いています。また、中に番号の付いた木札を入れて、席次を決めるための抽選に使われるものもあります。

折据の図(クリックして写真へ)

香割道具(こうわりどうぐ)

点前の際、出香用の香木を客の前で造る場合に使用する小さな大工道具です。基本的には、香割台の上で、香木の繊維に直角に鋸で切り、部材に合わせて鑿や鉈で繊維に沿って割るという作業をします。できあがりは、5×5ミリ角で厚さ1ミリ程の正目板のようになります。聞香用に割った香木の図

 鎚(つち)

 香割台(こうわりだい)

 鑿(のみ)

 鋸(のこぎり)

 小刀(こがたな)

 鉈(なた)

香割り道具の図

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火取香炉(ひどりごうろ)

火取香炉の図

客の前で香炉を造り箸目を入れる「灰点前」の際に、香炭団を席に持ち込む道具で「阿古陀(あごた)香炉」とも言います。これは、床の間の香炉のようにメッシュのけむりがえしがついていて、内側は金属、外側は、蒔絵です

火取香炉用の火道具を添えて香盆に載せて運びます。

重硯箱(じゅうすずりばこ)

手記録紙に答えを書くための筆記用具セットの入った重箱です。一般には、約5段が一揃となっていて、それぞれの段に筆、硯、墨、水滴が入っています。現在では、筆ペンを持参するのが一般的で、平易な香席ではあまり見受けられなくなりました。

重硯箱の図

火味(ひあじ)

火味の図

火味見とも言います。穂先が銀か赤銅で柄が唐木製の9cmほどの棒で、灰に刺して火加減をみる道具です。江戸時代に米川流で使われていたということで、現在はその流れを汲む安藤御家流で使われています。

四種盤(よんしゅばん)

組香の中でもっとも競技的要素の強い、「競馬香」「名所香」「矢数香」「源平香」に汎用的に使えるゲーム盤です。中には、「立物」と呼ばれる人形や花、矢、旗などの事物が備えられていて、香を聞き当てた数によって、双六のコマのように動かしたり、取り合ったりして競います。

その他

室礼に使用するもの

押板(おしいた)、押板前飾台(おしいたまえかざりだい)、卓(しょく)、長香台(ながこうだい)、菊煌台(きくこうだい)、香屏風(こうびょうぶ)、香帳(こうちょう)、様々な香棚(厨子棚、黒棚、志野棚)

手前に使用するもの

十種香箱(じっしゅこうばこ)、打敷盤(うちじきばん)、四方盆(よほうぼん)、沓型盆(くつがたぼん、長方盆(ちょうほうぼん)、染墨入(そめずみいれ)、香巾(こうきん)

保管等に使用するもの

沈箱(じんばこ)、香箪笥(こうだんす)、小道具掛 (こどうぐかけ)、記録箱(きろくばこ)、炭団入(たどんいれ)

・・・など、今ではちょっとお目にかかれない道具類もあります。

 

以上、香席で使う道具の「すべて???」を説明したつもりです。

時代の流れの中で次第に消えていく道具たち…

CGにして大切に残していきたいと思います。

* 文中「*柱」の字は、本来「火へん」に「主」と書きますが、フォントが無いので、一番形の近い当て字にしました。

文中の「焚く」も本当は、この字に「く」をおくるのが、香道では一般語です。

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