続
組香や香席の格式等、場合によって必要となる道具たちです。
手記録紙を使わず、一*柱毎に香札を使って答えを出すことを「札打ち(札入れ)」と言いますが、この際に使われる投票札です。 十*柱香のものが基本ですが、組香によって専用の香札が用いられることもあります。 |
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塗り物や唐木製でトランプのように表面には松、桐、柳など草木や鳥獣の絵柄が施されていて、各組とも裏には、「一」「二」「三」「ウ」の記号がそれぞれ3枚ずつ書かれています。香札箱には、10〜12組分納められています。 |
「札入れ」の際に香札を入れる投票箱です。 塗り物や唐木製で、上下に分かれる茶筒のような構造をしています。大きさは、高さ8センチ×直径2センチほどで、形は中太の円*柱や角*柱です。 |
堅い紙を織り込んで造った香札ホルダーです。折り方は、広告で造るピーナッツの殻入れに似ています。「札入れ」の中でも、一*柱毎に答え合わせをすることを「一*柱開き」と言いますが、いちいち札筒を廻すと時間がかかるので、香炉と一緒にこれを廻し、香札を入れます。 折居は、通常十枚一組で廻された香炉の順番に対応して表に「一、二、三、、、、」と番号が付いています。また、中に番号の付いた木札を入れて、席次を決めるための抽選に使われるものもあります。 |
点前の際、出香用の香木を客の前で造る場合に使用する小さな大工道具です。基本的には、香割台の上で、香木の繊維に直角に鋸で切り、部材に合わせて鑿や鉈で繊維に沿って割るという作業をします。できあがりは、5×5ミリ角で厚さ1ミリ程の正目板のようになります。 |
1 鎚(つち)
2 香割台(こうわりだい) 3 鑿(のみ) 4 鋸(のこぎり) 5 小刀(こがたな) 6 鉈(なた) |
6/5/4/3/2/1 |
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客の前で香炉を造り箸目を入れる「灰点前」の際に、香炭団を席に持ち込む道具で「阿古陀(あごた)香炉」とも言います。これは、床の間の香炉のようにメッシュのけむりがえしがついていて、内側は金属、外側は、蒔絵です 火取香炉用の火道具を添えて香盆に載せて運びます。 |
手記録紙に答えを書くための筆記用具セットの入った重箱です。一般には、約5段が一揃となっていて、それぞれの段に筆、硯、墨、水滴が入っています。現在では、筆ペンを持参するのが一般的で、平易な香席ではあまり見受けられなくなりました。 |
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火味見とも言います。穂先が銀か赤銅で柄が唐木製の9cmほどの棒で、灰に刺して火加減をみる道具です。江戸時代に米川流で使われていたということで、現在はその流れを汲む安藤御家流で使われています。 |
組香の中でもっとも競技的要素の強い、「競馬香」「名所香」「矢数香」「源平香」に汎用的に使えるゲーム盤です。中には、「立物」と呼ばれる人形や花、矢、旗などの事物が備えられていて、香を聞き当てた数によって、双六のコマのように動かしたり、取り合ったりして競います。 |
室礼に使用するもの
手前に使用するもの
保管等に使用するもの
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以上、香席で使う道具の「すべて???」を説明したつもりです。
時代の流れの中で次第に消えていく道具たち…
CGにして大切に残していきたいと思います。
* 文中「*柱」の字は、本来「火へん」に「主」と書きますが、フォントが無いので、一番形の近い当て字にしました。
文中の「焚く」も本当は、この字に「く」をおくるのが、香道では一般語です。
香道具に関するGIF画像は、すべて私の著作物です。