七月の組香
草と木のフヨウとムクゲを聞き分ける組香です。
点法により初心者に有利となるハンデのあるところが特徴です。
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説明 |
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香木は、4種用意します。
要素名は、「芙蓉(ふよう)」「槿(むくげ)」「木槿(きむくげ)」と「木芙蓉( もくふよう)」です。
この組香では、「芙蓉」と「槿」は「草の香」、「木槿」と「木芙蓉」は「木の香」と呼びます。
香名と木所は、景色のために書きましたので、季節や組香の趣旨に因んだものを自由に組んでください。
「芙蓉」「槿」「木槿」は各2包、「木芙蓉」は1包作ります。(計7包)
組香を始める前に初心者を「牧童方(ぼくどうがた)」、中上級者を「樵夫方(きこりがた)」として二手に分けます。
「芙蓉」「槿」のうち各1包を試香として焚き出します。(計 2包)
手元に残った「芙蓉」「槿」を打ち交ぜて1包を引き去ります。(2−1=1)
「木槿」の2包のうち1包を引き去ります。(2−1=1)
8.と9.で引き去った2包を打ち交ぜて順に焚き出します。(1+1=2)
本香A段は、2炉焚き出します。(草の香+木槿)
続いて、8.と9.で手元に残った各1包に「木芙蓉」1包を加えて打ち交ぜ、順に焚き出します。(計3包)
本香B段は、3炉焚き出します。(草の香+木槿+木芙蓉)
香元は、香炉に添えて「札筒(ふだづつ)」か「折居(おりすえ)」を廻します。
連衆は、試香に聞き合わせて、あらかじめ用意された香札を1枚投票します。 (計5回)
点数は、「牧童方」は「芙蓉」「槿」と「木芙蓉」に、「樵夫方」は「木芙蓉」「木槿」に加点要素があります。(委細後述)
一方、「牧童方」には、「芙蓉」「槿」に、「樵夫方」には「木芙蓉」「木槿」に減点要素があります。(委細後述)
下附は、全問正解の場合は「千々の秋風(ちぢのあきかぜ)」、全問不正解の場合は「山風 (やまかぜ)」と書き付します。
その他は、「草の香」と「木の香」の当り数によって「○草」「○木」と並記し、その下に各自の点星を「○点」「○星」と並記します。
勝負は、各自の点から星を差し引いて、 グルーブごとの総合点が高い方が「勝方 (かちかた)」となります。
香記は、「勝方」の最高得点者のうち上席の方に授与されます。
星合の空を見上げていると、いつしか大輪の花火に彩られる季節となりました。
地元に帰って来て、やっと新車を買いました。今回は、還暦をまたぐということで「赤い車」にしました。プジョーから始まった車選びは思わぬ変遷を経て、マツダのコンパクトカーとなりましたが、まぁ、自己満足度とコストパフォーマンスは最善のものを選べたかなと思っています。
我が生涯最初の車は、19歳の時に友達から5万円で譲り受けた10年選手の「カローラスプリンタークーペ1200」でした。この「カロリンタ〜」は、いろいろと金をかけて整備した割には短命で、嵐の日の高速走行中にエンジンから煙を吹いて動かなくなるという”あっけない”というよりは”命の危険すら感じる”最期を遂げました。 これに懲りて、その後は新車となり、1400 ccの「スプリンちゃん」、1800 ccの「エドちゃん」、2000ccの「マーク君」と家族が増え、トヨタのハードトップ系をワンオーナーカーにして10年ごとに乗り継いできました。小学生の時に友達のお父さんが「コロナ」を持っており、時々、学校まで乗せていってもらうのが楽しみだった私の脳裏には「男だったら、いつかはクラウン」のキャッチコピーが根強く巣食っており、高度成長期の男子が誰しも持っていた「自家用車のグレードアップによる自己拡大」を地で行っていたことになります。
車に限らず、結婚→出産→子供の成長につれて大きくなったものは、自宅や冷蔵庫、「私のウェスト」などたくさんありました。その割に我が業種の給与水準は低値安定であるのに加えて、2年前からは構造的に「絶対昇給はない」というところに来ているので、家族の期待に応えつつ、 「まぁ、よくもここまで風船を膨らませられたものだ」と思います。イソップの寓話に牛に対抗しようとしてお腹を膨らませて破裂してしまった身の程知らずの蛙がいましたが、あんな感じに周りから風を送られて膨らんでいたということでしょう。数年ぶりに自宅に帰ってみれば、娘ちゃんたちの自立と私の退職→無給期間3年→夫婦二人の年金生活が眼前に見渡せるようにな り、もともと「エコでロハスなアートライフ」に憧れていた私の心の中で、家族のために抑えていた「自己縮小欲求」がふつふつと沸いて来たというわけです。
私は、修行フェチでしたし、短いながらも震災後の物不足と食糧難を経験して、「自分が生きていくための最低水準」を認識することができていました。また、単身赴任でシンプルに生きることや他力に頼るよりも自力を使う生活の心地よさも満喫しました。加えて熊本では、借りていた「MRターボ」を乗り回しつつ、恐ろしく軽快な軽自動車の使い勝手を実感していまいましたので、今回の車選びでは 、もう排気量による自己拡大願望はなくなっていました。夫婦で動け、たまに家族も乗れる車・・・「でも色は赤がいいよね。」「ちょっとやんちゃな外装がいいよね。」「内装はしっかり目ね。」と探すうち、1300ccの「デミ 男くん」に出会って一目惚れしました。結果、「いつかは…」と目指したクラウンオーナーにはならずじまいとなったわけです。
引っ越し荷物の整理かたがた自分の「断捨離」は終えて、マンションの離である「龍穴庵」はずいぶんシンプルになりました。あとは、欲張らず、無理せず、余計なことをせず、人との出会いは必然とご縁に任せ、不完全な人間関係や悪縁をも気にしないで無為自然に生きるのみかと思います。自己拡大と自己認識なくして、人は前向きになれませんし、それが若さのバロメータとも言えるのですが、私は、「槿花(きんか)一朝の夢」から目覚め、少しずつ萎ませていただきたいと思うのです。 ですが、安心してください。このサイトの運営は既に「癖」でやっていることですので、マイルストーンが無く、誰も見ていなくても続いていきます。
今月は、夏から秋への花めぐり「新草木香」(しんそうもくこう)をご紹介いたしましょう。
「新草木香」は、大同樓維休の米川流香道『奥の橘(月の巻)』に掲載されている初秋の組香です。「草木香」というと「小鳥香(平成12年4月掲載)」 の兄弟組である組香が最も有名です。一般的に行われている「草木香」は、5種類の香木を1組とし、同じ香木をもう1組用意して、互いに1包ずつを入れ換えます。そのうち1組(5包)のみを焚き出し、何番目と何番目の香りが同じだったか、もしくは全部違ったか覚えておき、あらかじめ用意された「わかかへて(若楓)」「わかわらひ(若蕨)」「あきのきく(秋の菊)」「あかさくら(赤桜)」等の聞の名目 の文字になぞらえ答えるというものです。また、『奥の橘(鳥の巻)』に掲載されている「草木香」は 「源氏香」に似た派生組で5種類の香木を1組とし、同じ香木をもう1組用意するところまでは先ほどの「草木香」と同じですが、この二組を全部打ち交ぜて5包のみを焚き出します。そうすると同香の組合せが複雑になりますが、これをあらかじめ配置された「香の図」と「はつさくら(初桜)」「こささはら(小笹原)」「のべのささ(野辺の笹)」「しゃくやく(芍薬)」のような聞の名目で答えるという珍しい組香でした。これらは、要素の景色から四季を問わずに催行できる四季組と言えますので、そのうちご紹介したいと思います。
今回は、夏から秋にかけての季節感のある組香を探していて、要素となっている「芙蓉と槿」の違いに興味が沸いたため「新草木香」をご紹介することといたしました。 この組香は、他書に類例も見られないため、『奥の橘』を出典として書き進めたいと思います。
まず、この組香に証歌はありませんが、小引本文の中に下附の由来となった和歌が2首掲載されていますので、ご紹介いたしましょう。
皆の歌
「君が代のちぢの秋風ふきそめてなびきにけらしな野べの草木も 建保歌合有家歌之」
無の歌
「吹くからに野べの草木のしほるればむべやまかぜをあらしといふらん 古今文屋康秀歌之」
「皆の歌」は、建保二年(1214年)8月16日 に順徳天皇の内裏で開催された歌合で藤原有家が奏上した歌です。『内裏歌合』(101)には 「五十一番 秋祝 左持」とありますので、勝敗は引き分けだったようです。因みに、右の歌 (102)は「君がへんよはひをかねていく千代とかずかく鴫の音も夜ぶかし 」(僧正遍照) が掲載されています。一方、「無の歌」は、百人一首でも有名な文屋康秀の歌です。出典は『古今和歌集』の巻第五 秋歌下で「これさだのみこの家の歌合のうた」と詞書があります。 これら2つの歌は、組香が結ぶ景色を端的に表す文学的支柱ではありませんが、下附として選ばれた言葉の景色を補完して香記に 色を添え る役目をしています。
次に、この組香の要素名は、「芙蓉」「槿」「木槿 」と「木芙蓉」です。要素名ついて出典には「芙蓉(二包内試に出)、槿(二包上に同)、右二種、草の香と云、木槿(二包試香なし)、木芙蓉(一包上に同)、右二種木の香と云 」とあり、「芙蓉」と「槿」は「草の香」、「木槿」と「木芙蓉」は「木の香」として扱うことがまず書かれています。 そこで、現代の植物図鑑で「草」である「芙蓉・槿」と「木」である「木芙蓉・木槿」の判別を試みました。出典には、札打に関して「一、二、三、ウの順は、芙蓉は夏、槿は夏より秋にかけて咲き、木槿は初秋、木芙蓉は仲秋なれば、時の順とす 」という記載があり、これら4種の植物は異名等ではなく、個別に存在するもの ということが明示されています。しかし、現代では「フヨウとムクゲ」の区別は厳然とあるものの、いざ漢字にすると「芙蓉と木芙蓉」「槿と木槿」が何であるかは判然としないことがわかりました。
まず、「芙蓉と木芙蓉」については、仮説として「中国では芙蓉といえばハス、木芙蓉がフヨウ」という説を採用しました。ハスは成夏、フヨウは10月まで花が咲くということで開花時期の辻褄は合っています。 次に、「槿と木槿」については、「木芙蓉」に似た現在の「ムクゲ」を「木槿」と 仮定し、「草の槿」を探してみました。しかし、ムクゲの古名である「ハチス」では「ハス」になってしまいますし、「キキョウ」では夏より秋の花としては次期が少し遅いような気がします。最後に残 ったのが「アサガオ」なのですが、可逆的に言うと「アサガオ」の異名に「ムクゲ」はありません 。
このようなことから、「草の槿」は見つからないため、江戸時代から多くの園芸品種が作られてきている「ムクゲ」と「アサガオ」の共通点を頼りに「槿」は「アサガオ」と仮置きすることとしました。(異論・真説等ありましたらお知らせください。)すると、開花時期は、「ハスは夏→アサガオは夏より秋→ムクゲは初秋→フヨウは仲秋」という並びになり、なんとなく落ち着きます。また、これら4種の植物は、朝咲いて夕方にはしぼむ「 一日花」であり、長期間にわたって毎日次々と開花するという共通点もありました。このようなことから、このコラムでは、「芙蓉→ハス」「槿→アサガオ)」、「木槿→ムクゲ」と「木芙蓉→フヨウ」 をイメージして書き進めたいと思います。
続いて、この組香では出典に「連中二つに分かれ、上座牧童方、末座を樵夫方として聞くなり」また、「連衆の巧者を樵夫方、初学の人を牧童方とす」ともあり、あらかじめ連衆を スキルに合わせて「牧童方(初心者)」、「樵夫方(中上級者)」に分けることが指定されています。その理由は、点法の段で明らかにします。
さて、この組香の香種は4種、全体香数が7包で本香数は5炉です。まず、「芙蓉」「槿」「木槿」は各2包、「木芙蓉」は1包作り、このうち「草の香」である「芙蓉」「槿」の各1包を試香として焚き出します。次に、出典では「本香五包、始めに草の香二包、木槿二包、木芙蓉一包を如是三段に分け置き、試終りて草の香二包の内より一包取り、木槿二包の内一包取りて、二包打交ぜ始めにたくなり」とあり、 試香の後、本香A段は、試香で残った「芙蓉」「槿」を打ち交ぜて1包を引き去り、「木槿」を1包を加え、2包を打ち交ぜて順に焚き出します。続いて、 本香B段は、手元に残った3包(草の香の残り、木槿、木芙蓉)を打ち交ぜて順に焚き出します。出典に「 始めにたくなり」とあるため、小記録の構造式では「段組み」のように記載しましたが、組香の景色としては、それほど大きな区切りはありません。ここでは「最初は草の香と木の香を1つずつ焚き出し、次に残らず焚 いて」という所作により、連衆がA段で客香である「木槿」をまず認識し、B段では既知となった「木槿」を手かがりに次の客香である「木芙蓉」を判別するという、2種の客香をスムーズに聞き分けるために設けられた「焚き出しの区切り」という意味合いが強いかと思います。
ここで、この組香は「札を用ゆ」と回答は香札を利用するよう指定されています。
出典には・・・
札紋
牧童方 野路流、野路蛍、野路霞、野路廉(→簾?)、野路■ (■:判読不能)
樵夫方 山路泉、山路蝉、山路霧、山路砧、山路月
札裏 芙蓉一枚、槿一枚、木槿二枚、木芙蓉一枚
壱人分五枚宛五十枚也
・・・のように記載があり、牧童方は野の景色、樵方は山の景色が札名(席中の仮名)となっており、より情趣を醸し出しています。なお、香記の連衆の名乗の欄については、この札名を大きく書き記した右肩に名前も小さく付記します。
また、出典には「十*柱香の札を兼用する時は一二三ウにて打つべし」とあり、 続いて前述の「一、二、三、ウの順は、芙蓉は夏、槿は夏より秋にかけて咲き、木槿は初秋、木芙蓉は仲秋なれば、時の順とす」との記載があります。 そのため、現代の香席で十*柱香札を流用する場合は、「芙蓉(一)」「槿(二)」、「木槿(三)」、「木芙蓉(ウ)」と符合させて投票するようにしましょう。
初炉を焚き出しましたら、香元は、香炉に添えて「札筒」か「折居」を廻します。 連衆は、試香に聞き合わせて、これと思う香札を1枚投票します。本香A段では、試香のある「草の香」から「芙蓉」か「槿」を判別し、聞いたことのない香を「木槿」として札を打ちます。本香B段では、A段で焚かれなかった「草の香」 (「芙蓉」か「槿」)、A段で初めて聞いた「木槿」、未だ聞いたことのない香は「木芙蓉」と回答します。このようにして、連衆は試香と客香の数を頼りに出された香を聞き定めていきます。
例:A段→芙蓉・木槿、B段→槿・木芙蓉・木槿
なお、この組香は1炉ごとに正解を宣言する「一*柱開(いっちゅうびらき)」ではないので、香筒に投票された札は、札盤に伏せておくか、折居に入れ替えて順番に並べておきましょう。
本香が焚き終わりましたら、執筆は札を開き、連衆の答えをすべて書き写し、香元に正解を請います。香元は香包を開いて正解を宣言します。執筆は、正解を香の出の欄に縦一列に書き記し、連衆の当否を照合します。ここで、出典には「牧童方にては、芙蓉、槿の二種草の香あたり二点、独は三点、外れ一星、独違二星也。樵夫方にて木の香も是に同じ。但、木芙蓉は無試一色の香なれば、ウの心にて双方当り二、独は三点なり 」とあり、双方に加点要素と減点要素が付されています。つまり、「牧童方」が「草の香」(芙蓉・槿)を聞き当てると2点加算され、聞き外すと2点減点されます。「樵夫方」も「木の香」(木芙蓉・木槿)を聞き当てると2点加算され、聞き外すと2点減点されます。 また、これらはそれぞれ独聞きには3点加点、独聞外しは3点減点というルールも加わっています。さらに「木芙蓉」については、「聞き当てると2点、独聞は3点」という加点要素が双方にかかってくるので、「牧童方」には「草の香」(芙蓉・槿)と「木芙蓉」に加点要素があり、「樵夫方」には「木の香」(木芙蓉・木槿)にしか加点要素がないことになります。加えて、「牧童方」は「木芙蓉」の聞き間違いに対する減点要素もないため、「樵夫方」に比べて加点要素が多く減点要素が少なくなっています。さらに、「草の香」(芙蓉・槿)は試香のある香、「木の香」(木芙蓉・木槿)は試香のない客香ですので、「樵夫方」は聞き定めも難しくなります。 このように、「牧童方」が「樵夫方」に対して、非常に有利な点法となっている「ハンデ戦」がこの組香の最大の特徴と 言えましょう。このことについて出典では「尤、樵夫方、木の香を第一に聞く也。無試なれば、連中の巧者を樵夫方とし、諸学の人を牧童方とすべし」とあっさりと記載されており 、これが、スキルに合わせて二手に分ける理由の根拠ともなっているというわけですが、 「樵夫方」が「牧童方」を上回るのは圧倒的な実力が必要となるのではないかと思います。
そうして、 執筆は、この点法に基づいて、各自の答えに合点を掛け、過怠の星を打っていきます。出典の「新草木香記」の記載例では、点も星ともに答えの右肩に加点・減点の数に合わせて書き付してあります。
この組香の下附は、全問正解の場合は「千々の秋風」、全問不正解の場合は「山風」と書き付します。その他は、「草の香」と「木の香」の当り数によって「○草」「○木」と並記し、さらにその下に各自の点星を「○点」「○星」と並記します。
「千々の秋風」は、祝歌である「君が代の・・・」から深まる秋の景色を思い起こされてくれます。一方、「山風」は「吹くからに・・・」の歌から強い風と冬の訪れで草木の花がなくなってしまった景色を思い起こします。このようにして、前述の和歌の景色が下附の情景を補完しているというのも、この組香の特徴といえましょう。
最後に勝負は、各自の得失点を差し引きし、さらにグループごとの合計点を計算して多い方が勝ちとなります。「勝方」の記載について、出典の「新草木香記」の記載例では、「○○方 勝」のように、見出しの下に「勝」を付記して表します。グルーブの総得点は表記されていませんし、「負方」には、何も付記されておりません。なお、個人賞は、 勝方の中で最高点を取った方のうち上席の方となり、ご褒美に香記が授与されます。
茶道における木槿は「宗丹木槿」の名の示す通り、千家流の夏の茶花として欠かせない花となっています。一方、その儚さ故、華道では余り好まれません。さて、この儚くも艶やかな「一日花」をお香の世界の方はどのように捉えますでしょうか?是非、牧童と樵夫に成り代わって野山の「ハンデ戦」も楽しんでいただければと思います。
「酔芙蓉」は朝のうち白く、午後は薄紅に染まり、夜は紅へと変化して、翌朝には萎みます。
それは酒に酔って頬を染める楊貴妃の美しさにも喩えられる魅力的な花ですが
古典和歌の世界ではほとんど詠まれていないのが不思議です。
誰ぞ待つや色まだ浅き酔芙蓉夕日のかげを聞し召し咲く(921詠)
組香の解釈は、香席の景色を見渡すための一助に過ぎません。
最も尊重されるものは、皆さん自身が自由に思い浮かべる「心の風景」です。
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