六月の組香

雨上がりの夜空に星を見つけた喜びを表す組香です。

証歌が「笑い話」から引用されたというのも一つの特徴です。

※ このコラムではフォントがないため「 ちゅう。火へんに主と書く字」を「*柱」と表記しています。

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説明

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  1. 香木は 、3種用意します。

  2. 要素名は、「月(つき)」「星(ほし)」と「夜(よる)」です。

  3. 香名と木所は、景色のために書きましたので、季節や組香の趣旨に因んだものを自由に組んでください。

  4. 「月」は2包、「星」は1包、「夜」は4包作ります。(計 7包)

  5. このうち「月」と「夜」の各1包を試香として焚き出します。(計2包)

  6. 手元に残った「月」1包に「星」1包を加えて打ち交ぜ 、その中から1包を任意に引き去ります。(2−1=1包)

  7. さらに、手元に残った「夜」3包の中から1包を引き去りますます。(3−2=1包)

  8. 本香A段は、 これら2包を打ち交ぜて2炉廻ります。

  9. 続いて、先ほど⒎で引き去られた「夜」2包に⒍で引き去られた1包をを加えて打ち交ぜます。{(−2)+(−1)=3包}

  10. 本香B段は、 これら3包を打ち交ぜて3炉廻ります。

  11. 連衆は、本香 A段は普通に要素名で2つ答え、本香 B段は「聞の名目」で1つ答えます。(委細後述)

  12. 下附は、全問正解の場合は「 星一つ見つけたる夜の嬉しさ」、A段・B段いずれか全てが当たれば「月にもまさる」、その他は「五月雨の夜」と書き附します。

  13. 勝負は、最高得点者のうち、上席の方の勝ちとなります。

 

銀の竹が苔庭を潤す季節となりました。

「筍(たけのこ)」が美味しい季節となると故郷の近くの丸森町を思い出します。丸森町は県南の一大産地でしたので、近隣の町では朝採れで「えぐみ(蘞味)」の全くない「筍」が商店に並び、買わなくとも人づてに頂いたりして、とにかく「いつでも」手に入ったものです。それが、福島第1原発事故の影響で一部地区に出荷制限がかかり、全域での風評被害、さらに台風19号の豪雨被害もあって、竹林そのものの存続を心配していましたが、今年から町内全地区で出荷が再開され、11年ぶりに収穫作業が始まったようです。出荷制限のかかっていた丸森町大張地区には「竹ノ花」という集落もあり、まさに竹林とともに暮らしてきた人々の丹精の賜物が11年ぶり花開いたということでしょう。

「竹の花」といえば、3年前の今頃から、全国各地で「竹の花が咲いた」という珍しいニュースが目につくようになり、現在でも続いています。竹の開花は、種類にもよりますが、60年〜120年に一度と言われる大変稀なもので、開花後には種子が実り、竹林全体が白っぽくなり一斉に枯れるという姿から、昔は「凶時の兆し」とも考えられていました。私が生まれた頃に、世界各地で一斉に竹の花が咲き「日本の竹の3分の1が枯死してしまった」ということもあり、今回せっかく復興を遂げた「丸森町の竹林は大丈夫か?」となんとなく心配なところもあります。昨今の開花現象を敢えて「凶事」こじつけて考えれば、コロナ禍は、この頃から始まった「種の変異」の一環と言えなくもないかもしれません。

しかし、一見奇怪なこの現状も科学的に考えれば、いちいち納得のいくことばかりです。竹はイネ科の常緑樹ですので花が咲かない植物ではありません。ただ、「開花周期」が非常に長く、人間が一生に一度見られるか見られないかの確率でしか遭遇しないので、まだまだ謎も多く、記録も少ないため「怪異現状」に見えてしまうのです。また、竹の花はイネと同じ「風媒花」で雄蕊と雌蕊が花弁から飛び出して、花粉が風に乗って受粉し、できた「種」は米と同じように食べられます。私たちは、竹は地下茎から筍が出て繁殖しているものだと思っていますが、それは、一つの植物が「竹林」という形で面的に広がっただけで、竹一本一本は「クローン」に過ぎません。「竹林」は、長い年月を掛けてよりよい環境にじわじわと移動したりもしますが、「クローン」である以上、生命体としては脆弱で、いつでも「全滅」の危機に見舞われる恐れがあります。そこで、60年〜120年に一度「花」を咲かせて、他の遺伝子と交配した「種」を残すわけです。開花後の竹がすべて枯れてしまうのは、子どもを育てた親の竹が疲れて枯れていくようにも見えますが、実際は「親子の種の競合」を避けるためで、新芽に日光を当て、自らが養分となり、次の世代に全面的にテリトリーを譲るのです。毎年、筍が生えると竹林は黄ばんで葉を落とし「竹の秋」が到来しますが、こちらは自らの体躯を維持するための細胞レベルの選手交代、「竹の開花」は種の進化のための個体レベルの選手交代ということでしょう。香道における「一子相伝」も自然の節理という気がして来ます。

東福門院も好んだという「四君子(蘭・竹・菊・梅)」は、それぞれの気品の高い美しさから、古来、風雅の人々に愛されて来ました。その中で、私が最も好きなものは「竹」です。その姿は、節操、純粋さ、忍耐力、その空洞さえも謙虚さの象徴とされて来ましたが、私は、竹の潔さ、素直さ、しなやかさ、瑞々しい緑色や油抜きして枯らした後の飴色の肌にとても心惹かれています。旬の筍を食べながら、「ド素人茶杓師」を名乗って、竹にこだわっていた頃が懐かしく思い出されます。

 今月は、江戸文学や茶道の素養から編み出された新組香「五月雨香」(さみだれこう)をご紹介いたしましょう。

「五月雨香」は、日本香道協会会誌『香越理(第十二・十三号)』(昭和53年1月発行)に掲載された新組香です。作者は、北川隆子さんという方で、編集後記によれば「霞会」(霞会館で催されていた御家流の会)のメンバーだった方のようです。この号には「新組香」と題して、会員が創作した5組が紹介されており、この号から「新組香」が誌面を飾ることも多くなりました。皆さん「初作品」ということで力が入っており、思いが強い反面、奇をてらったり、複雑な構造で組香を窮屈にしてしまったりという難点が多い中、潔く、香3種の2段組で意趣をまとめた北川さんの「五月雨香」に目が留まり、これは後世に残すべき作品だと思いました。ただし、「五月雨香」と名の付く組香は数々あり、中でも平成12年の5月にこのコラムでご紹介した「五月雨香」は、「五月雨は時雨村雨夕立の景色を空にまじえてぞ降る(中和門院)」を証歌とした「東福門院」の御作としてあまりにも有名で、初夏の定番として流派を問わず催されています。そのように有名な組香があることを知りながら、何故「五月雨香」という題号を敢えて新組に付けたのか?最初は怪訝に思いました。しかし、証歌を詠み進める間に、茶道の世界を知れば、「なるほど五月雨と冠するにふさわしい組香なのだ」と思うようになり、6月に「五月雨」と語呂はよくありませんが、時季は許容範囲ですので、今月にご紹介することといたしました。今回は、オリジナルの組香ですので『香越理』を出典として、私見を交えながら書き進めたいと思います。

まず、この組香には証歌があり、出典には以下のとおり記載してあります。

「星ひとつ見つけたる夜のうれしさは月にもまさる五月雨の空」

意味は、「五月雨の雲間で星を一つ見つけた嬉しさは月にも勝るものだ」ということでしょう。この和歌について出典を調べましたところ『醒睡笑(せいすいしょう)』という文献に尋ね当たりました。

『醒睡笑』は、浄土宗の説教僧であり誓願寺(せいがんじ)法主の安楽庵策伝(あんらくあん・さくでん)が編纂した全8巻8冊・1030余話という膨大な話数を収める江戸時代初期の笑話集です。その「巻之一」に「鈍副子(どんふくす⇒鈍なる弟子)」という項があり、そ の1つに、このような他愛もない笑い話がありました。

 小僧あり、小夜ふけて長棹をもち、庭をあなたこなたと振り回る。坊主これを見付け、「それは何事をするぞ」と問ふ。「空の星が 欲しさに、打ち落さんとすれども落ちぬ」と。「さてさて鈍なる奴や、それ程策が無うてなる物か、そこから棹が届くまい、屋根へあがれ」と。

 お弟子はとも候へ、師匠の指南ありがたし。(*^_^*)

星ひとつ見つけたる夜のうれしさは月にもまさる五月雨の空

(読みやすいように一部漢字変換しています。)

この笑い話を締めくくるのが、「星ひとつ…」の歌でした。これで、組香 に微笑ましい情景が思い浮かびましたが、もう一つ、題号と和歌を結び付ける事物を発見しました。

それは、小堀遠州作の茶杓「五月雨」です。この茶杓は、節から切止へ降りていった左側に小さな虫食いがあり、遠州公はこの虫食いを「星」に見立てて、茶杓に仕立てれば面白い景色となる虫食いの竹を見つけた喜びにかけて「星ひとつ見つけたる夜のうれしさは月にもまさる五月雨の空」を歌銘としたようです。この茶杓は、共筒とともに 「根津美術館」に収蔵され、時折公開もされていますので、当時、東京の雅人で茶道にも通じていらっしゃった作者が、茶杓の銘 から情景を思い浮かべて「五月雨香」と題したのではないかと推察しています。このようにこの組香は、五月雨の夜空の雲間に星を見つけた時の嬉しさを表すことが 主旨となっています。

次に、この組香の要素名は、「月」「星」「夜」となっています。これらは、いずれも証歌から引用されていますが、証歌の景色から「星」が主役で、「月」が脇役、「夜」が背景という役割があることは、お分かりになるかと思います。この組香は、3種の要素を織り交ぜながら、「五月雨の夜」の景色を描いていくためにいくつかの工夫もなされています。

さて、この組香の香種は3種、全体香数は7包、本香数は5炉となっており、構造は「段組」を用いています。まず、「月」を2包、「星」を1包、「夜」は4包作ります。そのうち、「月」「夜」のうち1包ずつを試香として焚き出します。これは、おそらく皆さんが常に見ている夜空の景色を既知のものとして味わい、月の光に隠れて気にも留めていなかった星が主役であること暗示するものなのだと思います。

次に、本香A段は、手元に残った「月」の1包に「星」の1包を加えて打ち交ぜ、そのうち1包を任意に引き去って、さらに、手元に残った「夜」の1包を加えて打ち交ぜ て2炉焚き出します。その結果、当日の夜空は「五月闇」ではなくなり、いつも通り「月」が出るかもしれませんし、雲間に早々と「星」が出るかもしれません。「星」が出てしまえば、この組香は既に満願ということになってしまいますが、それはそれで嬉しいことでもあります。本香A段が焚き出されましたら、連衆は試香に聞き合せて答えとなる要素名を名乗紙に2つ書き記します。

続いて、本香B段では、A段で引き去った1包(「月」か「星」)と手元に残った「夜」の2包を加えて打ち交ぜ、都合3炉を焚き出します。ここでは 夜闇がさらに深くなり、その中から光明を探す情景となります。おそらく作者は、B段でうまく「星」が混ざってくれれば証歌の情景と一致すると 内心期待しているのでしょう。

ただ、A段で「星」が夜空に浮かんでしまえば、B段での出現は望めません。そこで、本香B段については、「星」が出なかった場合も興ざめしないように、「聞の名目」が用意されており、連衆は試香に聞き合せて、3つの要素名から構成される「聞の名目」を名乗紙に1つ書き記します。

答えとなる「聞の名目」について、出典にはこのように記載があります。

夜と星の時は  雲間の星

星と夜の時は  宵の明星

夜と月の時は  おぼろ月

月と夜の時は  夜半の月

これを3つの要素名の「出現順」に割り振るのだと解釈すれば、以下のとおりとなります。

香の出と聞の名目

香の出

香の出の構成要素

聞の名目

夜と星の時は

夜・星・夜 / 夜・夜・星

雲間の星

星と夜の時は

星・夜・夜

宵の明星

夜と月の時は

夜・夜・月  / 夜・月・夜

おぼろ月

月と夜の時は

月・夜・夜

夜半の月

このように、6種の出目を4種の名目で括ることとなります。このことについて尭山宗匠も本文の中で「聞の名目についてですが、ここでは『夜と星なら』とか『夜と月なら』という具合に規定していますから、例えば、『星、夜夜』とか『夜星夜』という実際の出については何も規定がありません。その場合を含めているものと見做すべきでしょう。」と書かれており、 おそらく上表のとおり「聞の名目」を配置することを容認しておられます。ただし、その上で「もし、そうした場合の適切な名目を思い浮かべられたら補ってください。」とも書かれており、後の追補・校正にも期待しているように感じられました。

そこで、尭山宗匠の遺志を受けて、原作の意趣を尊重しつつB段に6種の聞の名目を私なりに作ってみました。

 香の出と聞の名目私案】 (赤字は追補、青字は移動)

香の出

聞の名目

星・夜・夜

宵の明星

夜・星・夜

雲間の星

夜・夜・星

明けの明星

月・夜・夜

三日月(上弦の月)

夜・月・夜

夜半の月

夜・夜・月

有明の月(下弦の月)

このように、「雲間の星」は、この組香の主景なので動かさず、その他の景色は「夜」に時間軸を設けて「月」「星」の現れた時間にふさわしい聞の名目を配置してみました。すると、夜遅く出る星には「明け明星」、月には「有明の月」が当てはまり、早く出る月には「有明の月」と月齢的に対局にある「三日月」が当てはまりました。また、「夜半の月」は真夜中の月ですので移動して、春先で時季がやや遅い「おぼろ月」を上書きしました。ただし、「月」を含む名目は、すべて秋の季語という嫌いが残ります。雅趣は劣りますがやや季節感の薄い「上弦の月」「下弦の月」もよろしいかと思います。いずれ、景色の上下関係や香の分量で綺麗に情景を表現した「月見香」の聞の名目のように絶妙に配置できれば本望かと思います。皆さんも独自の名目を検討されてみてはいかがでしょうか。

 因みに、令和2年(2020)には、「宵の明星」が6月上旬まで西の空に姿を見せた後、 1か月弱の空白を経て、6月下旬に「明けの明星」が東の空に姿をあらわしていました。今年は、1月初旬に交替しているので現在は、「明けの明星」が9月頃まで見えています。「明星」の見える時期は毎年変わり、公転の具合によっては3か月間、どちらも見えないこともあるそうです。

ここからは、出典に記述がないため、御家流の常の流れに基づいて書き進めて参ります。

本香が焚き終わり名乗紙が返って参りましたら、執筆は各自の答えを香記に書き写します。その際、名乗紙にはA段の要素名 2つとB段の聞の名目1つが書かれていますので、段組がわかるように間隔を置いて1行に書き記します。答えを写し終えたところで、香元に正解を請い、香元は香包を開いて正解を宣言します。執筆は、これを聞き、香の出の欄にA段 2つ、B段3つを要素名のまま間隔を置いて1行に書き記します。執筆は、A段については、香の出の欄を横に見て、当たった要素名に合点を掛けます、B段について は、3つの要素名から構成される正解の聞の名目を定め、これと同じ名目に合点を掛けます。ただし、同じ「雲間の星」でも香の出が「夜・星・夜」と「夜・夜・星」の 2通りあるので、本来は、個別に構成要素を見て行かないと正しい優劣は付きません。例えば「雲間の星(夜・星・夜)」が正解の場合、同じ名目でも「」は3点、「・夜・星」は1点の開きがありますが、名乗紙からはこの違いは読み取れません。これを容認するおおらかさが「御家流らしい」と言えるところでもありまが、やはり「白黒つけたい現在」では、 6種類の聞の名目を配置して、構成要素がすべて合っているもののみを当りとすべきかと思います。なお、その場合、B段の名目の当りには複数の要素を聞き当てた「長点」を掛けるのもよろしいと思います。

この組香の点法については、A段は要素名の当りにつき各1点で異論のないところだと思います。B段について も、名目の当否のみで判断する場合は1点でよろしいでしょう。一方、6種の聞の名目を用いて構成要素ごとに当否を判断する場合は、名目の当りは 3点と換算するのが妥当でしょう。また、例えば、正解が「宵の明星(星・)」の時、「三日月(月・)」は2点、「雲間の星(夜・星・)」は1点など名目が同じでなくとも構成要素の一部を聞き当てているものに「片当り」を認めるかどうかを あらかじめ決めて置きましょう。私としては、執筆の手間もありますので、シンプルに名目が同じもの以外は無点とし、3点満点で優劣を決めてもよろしいかと思います。もし、最高得点者が多くなり勝負が決めづらいということであれば、5点満点の「片当り」方式で勝負を決することもできます。

点数が決まれば、下附の段となりますが、出典には「皆の時は 星一つ見つけたる夜の嬉しさ」「A・Bいずれか聞けたとき 月にもまさる」「その他 五月雨の夜」と列挙されています。これも証歌の句を 単純に分割して割り付けて、香記全体に歌1首を散らすような形に工夫されたものと推察していますが、私としては、全問正解の下附が長きに失する気がします。また、「五月雨の夜」がたくさん香記に書き連ねてあるイメージもやや五月蠅い気がします。証歌は、記録の奥に1首書かれているわけですので、 敢えてもう一回景色をダメ押しする必要があるのかという気もしています。私がこの流れを踏襲するとすれば、全問正解は「星一つ」だけで嬉しさは表現できる気がしますし、「月」の出た段に「月にもまさる」は「月」に対して失礼ですので、A・B段のうち「星」の出現した段の正解にのみ「月にもまさる」とし、全問不正解にのみ「五月雨の夜」を附して雲間が無く星が見えなかったことを表しても良いような気がします。 もっと視点を変えて洒脱にするならば『醒睡笑』に立ち返って、全問正解に「星一つ」、A段当りに「棹の先」、B段当りに「屋根の上」、全問不正解に「師の指南」などというラインナップも面白いかもしれません。いずれにしろ、中間の点数は合点の数で示し、敢えて点数を下附しないのも「風通しの良い香記」でかえって美しいのではないかと思います。

最後に勝負は、最高得点者のうち上席の方の勝ちとなります。この組香は、凡そ30年前に創作された組香がそのまま掲載されていますので、まだまだ粗削りの部分もあったかもしれません。しかし、「五月雨」を見つめる先に、先人では気が付かなかった 別世界の素晴らしい景色と物語が広がっており、後世に残したい組香の一つでもあります。北川さんがご存命でしたら、その後、この組香がどのように円熟を遂げて行ったのか、お話を伺いたいところです。

皆さんも「五月雨香」で、屋根の上に登って、夜空を見上げて、長竿を振り回し、星を打ち落としてみてはいかがでしょうか。

 

竹林に分け入って見上げた空は神秘的です。

昼は天界、夜は冥界…

風に揺れる「集中線」の先にある異界に吸い込まれそうになります。
 
五月闇雲間に星の煌めきて心誘わる久遠の彼方(921詠)

組香の解釈は、香席の景色を見渡すための一助に過ぎません。

最も尊重されるものは、皆さん自身が自由に思い浮かべる「心の風景」です。

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