九月の組香
漢詩と和歌の二つの証歌を持つ組香です。
下附が多彩でそれぞれの歌の要素と一致しているところが特徴です。
説明 |
香木は4種用意します。
要素名は、「一」「二」「初三(しょさん)」「後三(のちのさん)」です。
香名と木所は、景色のために書きましたので、自由に組んで下さい。
「一」を2包、「二」を3包作り、そのうち1包ずつを試香として焚きます。
「初三」3包、「後三」3包の計6包と残った「一」1包、「二」2包を打ち交ぜて本香は9炉です。
答えは、出た順に要素名で書きます。
答えの当たり方のパターンによって下附が変わります。
「皆」とは、パーフェクトのことです。
「中」とは、当たりのことです。下附のパターンに無いものは、点数で表示します。
記録には、連衆の採点結果が、菊、雨、燕のような一文字の下附が多い場合は李端の漢詩「燕は社日を知て巣を辞して去んぬ 菊は重陽のために雨を冒して開けたり」(燕は秋の社日になったことを知って、寒さを恐れて巣を捨て去り、菊は重陽の佳節に会うために雨もいとわずに咲いている。)を書き、我宿、幾代、白露のように二文字の下附が多ければ、清原元輔の和歌を書きます。重陽が過半数の場合は、詩歌の両方を書き入れます。
社日とは、立春、立秋後の第五戌の日であり、土地の神を祀る日のことです。
重陽とは、陰暦の九月九日の節句で、菊の節句とされています。もともとは、中国で始まり、登高という丘に登る行楽の行事があります。その地域の甘谷というところの水が菊の花を洗って下流に流れ、その水を飲んでいた集落の住民は、長寿だったという故事から、菊は延年につながるものとされていました。
日本では奈良時代から宮中で観菊の宴が催されていたとのことです。