[生活文化史選書]
〜日本における沈香需要の歴史〜
松原 睦著 平成24年4月5日初版発行 刊行本 (雄山閣)
はじめに
第一章 東南アジアの沈香木
一 東アジアにおける初期の沈香
沈香とは / 中国における香のはじまり / 仏教と香 / 唐代の香
二 大寺院の香
日本への香木の渡来 / 正倉院の香
三 平安貴族の香
平安初期の沈香需要 / 薫物の流行 / 薫物合の疑問 / 宋代の香 / 日宋貿易の展開 / 法隆寺沈水香
四 鎌倉時代の香
日元貿易と香 / 引き継がれた唐物趣味 / 宮廷と貴族の薫物 / 禅院の香 / 一*柱の香
第二章 新しい香の世界へ
一 沈香一木の聞香
十種茶と十種(*柱)香 / 婆娑羅大名佐々木道誉 / 香の雅名と蘭奢待 / 東アジア交易圏と沈香の産地
二 中世香木の展開
会所と唐物 / 将軍家の正倉院宝物拝観 / 「かぐ」から「きく」へ / 銀葉・隔火(香敷) / 中世の香会
三 沈香と伽羅
香の最優秀品伽羅 / 伽羅の語源
四 信長・秀吉・家康と香
信長の蘭奢待截香 / 秀吉と沈香 / 朱印船貿易と伽羅 / 家康と蘭奢待 / 家康と奇楠香
第三章 留め飽きぬ伽羅
一 香木の輸入
長崎貿易の沈香と伽羅 / 沈香・伽羅の販売 / 漢籍から得る香の知識
二 庶民の世界へ広がる香
六国五味の成立 / 木所は産地名か
三 伽羅の流行
伽羅節と伽羅踊り / 遊里と伽羅
四 庶民の香
女中たしなみてよき芸 / 舞台にのぼる蘭奢待
第四章 香の発展と貢献
一 香道の発展
香道隆盛と香木 / 組香と一*柱香
二 香木にあらわれる品位
本草書の香木 / 敬うべき香木 / 香木法隆寺・太子 / 手箱の太子
三 薄くなる香への関心
香道の衰運 / 沈香も焚かず屁もひらず / 線香の歴史 / 香嚢と匂袋
四 江戸後期の香事情
正倉院最後のお香行列 / 紅沈と紅塵 / 江戸後期の香
第五章 多様な香りの世界と香
一 文明開化と香
古器物調査と正倉院 / 奈良博覧会 / 明治天皇蘭奢待を切る / 明治期の香
二 現代に生きる香
文人と香 / 香りの表現 / 正倉院展と薬物調査 / 香文化復興のきざし / 今、香とは / 香木の現状
あとがき
人名索引
図書索引
※ このコラムではフォントがないため「」を「*柱」と表記しています。