樋口百合子著 平成24年 5月28日初版発行 刊行本 (淡交社)
序文 香りが道になるまで
−『いにしへの香り』上梓にあたって 蜂谷宗玄
はじめに 古代日本人の香りへの思い
(1) 古典の香りの世界 − 『玉勝間』
(2) 『玉造小町壮衰書』に見る薫馨
(3) 『十訓抄』にみる麝香
(4) 理想の世界
第一章 「にほふ」と「かをる」
(1) にほひ・にほふ
(2) かをり・かをる
(3) 「にほふ」と「かをる」の相違
第二章 『古事記』の香り
−屎尿より生まれた神−
(1) 『古事記』の成立
(2) 屎尿から生まれる神々
(3) 香木にのぼる山幸彦
(4) 憎き敵は韮
(5) 大便をする美人を襲う神
(6) 屎をつけて遁走
(7) 不老長寿をもたらす橘
(8) 神を打つ蒜
(9) 『古事記』の香り
第三章 『風土記』の香り
−地名は匂ふ−
(1) 『風土記』の成立
(2) 地名は臭い
(3) 芳しき百の花
(4) 橘の旅
(5) 芳しい泉
(6) 埋もれた『風土記』−埋もれた香り
(7) 『風土記』の香り
第四章 『日本書紀』の香り
−香木の煙上る淡路島−
(1) 『日本書紀』の成立
(2) 香木を*柱く人々
(3) 香炉の誓い
(4) 生ける埴輪爛ち臭る
(5) 妖しき香りの菌あらわる
(6) 芳草と蘭沢
(7) はなぐはし衣通郎姫
(8) 『日本書紀』の香り
第五章 『海風藻』の香り
−漢詩に閉じ込められた薫風−
(1) 『海風藻』の成立
(2) 「芳」の楽しみ
(3) 梅花薫る苑
(4) 菊酒を翫す宮人
(5) 馥郁と香る謎の花「蘭」
(6) 淑気薫る
(7) 『海風草』の香り
第六章 『万葉集』の香り
−咲き匂ふ花たちばな−
(1) 『万葉集』の成立
(2) 「芳」の運命
(3) 香木の香り・麝香の匂い−悪臭に消される香木の香り
(4) 蘭は藤袴の匂い
(5) 誇り高き橘
(6) 菖蒲そかをる
(7) 天木香樹の謎
(8) 梅香の発見
(9) 女郎花を称える不思議
(10) 『万葉集』の香り
第七章 『続日本記』の香り
−梅を詠い、菖蒲を被く−
(1) 『続日本記』の成立
(2) 芳香を発する遺体
(3) 葷を排除する仏教
(4) 梅樹憧憬
(5) 菖蒲縵の復活
(6) 『続日本記』の香り
おわりに
(1) 『源氏物語』の香りへ
(2) 『薫集類抄』の誕生
(3) 香道の成立
参考文献一覧
あとがき
※ このコラムではフォントがないため「」を「*柱」と表記しています。