第一部　日本の匂いを求めて

第一章　香料の伝来

『聖徳太子伝暦』の記事

推古天皇の三年に沈香が淡路島に漂着したということ

沈香木は別名を栴檀香木ということと、その採取方法

沈香木から五つの代表的な香料が生じるという一木五香説

沈香木の生成

淡路島に漂着した香木で仏像を作ったということ

第二章　焼香供養から挙体異香へ

寺院と香炉

天平の香（におい）

柄（え）の香炉

薫炉（臥褥の香炉）と香球

えび香と香袋（においぶくろ）

寺塔や調度品に香を塗りこめる

挙体異香のための芳気法と強精秘薬

第三章　薫物と四季の匂い

花の色から匂いへ

香料の配剤調合と薫物

そらだきもの（空薫物、空炷物）とたきものあわせ（薫物合）

薫物の書類と製法ならびに諸香そして焚方（たきかた）

風土と草木、そして花の匂い

第四章　沈すなわち香−−闘香から名香合せへ

沈（香木）一種（ひとくさ）を焚く

沈香木の幽玄の匂い

銘（名）香の発見

闘香と乱裡の武人

名香合せと隔火の使用

薫物と薫物合せの余燼

第五章　沈香の木所（六国）と五味

組香の成立

六国すなわち木所

伽羅

羅国

真南蛮

真那賀

蘇聞答刺

佐曽羅

六国という名の成立

五味の分類とその成立

第六章　香の普及と到達するところ

遊里の伽羅

香道の定型化

化粧料

伽羅の油

花の露

白粉

蘭奢粉（洗い粉）と�{砂（歯磨粉）

特殊な化粧秘伝

薫香品掛香（匂い袋）

薫物

線香

墨（すみ）

その他の賦香品

香の行方

第二部　樟脳の製造と現代香料

第一章　日本の樟脳

竜脳の代用品としての樟脳

日本樟脳の製造開始と輸出

日本樟脳の製造方法

寛永年代から安永年代までの輸出

蒸留知識と技術の伝来

樟脳の精製と堺の丁子油

第二章　現代香料の先駆

香料薬品の研究

香料（薬品）植物の移植と研究

シベット猫の飼育

泰西の香料薬品へ

現代薬局法第一版といわれるものの中の香料

精油という訳語とその説明

第三章　『遠西医方名物考』の竜涎香

日本近海の竜涎香の発見

十九世紀初めのアンバル学説

（付・資料）『商業博物誌』（明治十八年刊、瓜生寅訳）中の香料

始めに

『商業博物誌』の香料

『博物誌』の記している香料の寄与

第三部　異聞雑識

中国の沈香

沈すなわち香

沈一味（沈香一種）の匂い

白檀はインドの原植物ではないということ

三種のサンダル即ち黄檀、白檀と紫檀

サンダルはインドの原生か

古代インド人の栴檀と紫檀

東西交通史上のサンダルの供給地

瑞竜脳の話

斯波の薔薇水と徽宗皇帝

私の匂いの分類

（付録）『香志』（享保十八年、�ｰ翛肬先生編輯）

（解説）『香志』について

あとがき