米川流十組香私記(よねかわりゅうじっくみこうしき)
*叢香舎春龍著 天明5年 1冊 版本(宝暦12年成立の加筆再板)
(「*叢」は、草冠に「取」と書く字)
無試十*柱香
宇治山香
小草香
小鳥香
源氏香
花月香
名所香
競馬香
矢数香
連理香
諸式傳事は、初心輩にはたやすくゆるすことなかれといふ事、先師の掟にして、組香の秘義第一の伝授となり、此の組香、ここに記すことをいとふ。
この道をおしむ志をつぐのみなり。
宝暦十二年壬午歳臘月望日
此の本は前板なれども、名所、矢数の文脈少し違ひあるによりて、再板す。
その本書肆桎村にて失ひぬれば、前板のたらざるを改め、加筆して、我が門人岡氏の花板にせんことをねがふにまかせて譲る者也。
天明五年記乙巳十一月 *叢香舎春龍